お客様・ご家族の声

当たり前の生活ができる喜び。

周囲のために一生懸命。時に温かく、時に厳しく。

埼玉県狭山市にある愛の家グループホーム「狭山」。
訪問すると、入居者様の笑顔とテキパキとした身のこなしの元気なスタッフたちの笑顔で満ち溢れていた。
そんななか聞こえてきたのが、「しっかりと挨拶しなきゃダメだよ!」
という大きな声。
この愛の家で暮らしている今年81歳になられたヨシさんだ。
この狭山でのスタッフ教育係である。

「挨拶ができない人は仕事なんてできないのよ。」と、若いスタッフに対して挨拶や言葉遣い、礼儀作法そして服装までも注意をする。
厳しい指摘もスタッフのことを大切な家族だと思っているからこそだとヨシさんは言う。
そして、とても世話好きなヨシさんは、少し腰を痛めているにも関わらず、テーブルを拭いてくれたり、食事のお膳を率先して運んでくれたり、周囲の人のために一生懸命になって働く。

ヨシさんのこのような姿勢は、実はヨシさんの歴史の中にある。
ヨシさんの家は元々お米屋さんだったそうで、何年もお客様相手に商売をしていたヨシさんには、商売人としての心意気やお客様との信頼関係のつくり方などが身に染みているというのだ。

もちろんヨシさんも認知症を抱えながら暮らしている。
しかしながら、こうした昔から身についている習慣(=その人らしさ)が自然に出せていることは素晴らしいことであるし、このような環境をたくさん作ることがグループホームの役割でもある。

「まだまだ若い人には負けられないからね。動いている方が腰の痛みも忘れてしまうのよ。」と、自分にできることがあれば何でもやりたいと言う
ヨシさんは、本当に楽しそうだ。

若いスタッフの服装について注意していたその後に、「こうした方がいい女に見えるのよ。」と、ちょっと照れくさそうな笑顔で耳打ちしていたのが、とても印象に残っている。

認知症の人は何もできないというわけではない。そして、ただ介護を受けるだけの存在でもない。
いきいきと「今というこの瞬間を」生きる彼女たちの姿が、あらためて本当に大切な事が何かを気付かせてくれる。