Nsの小部屋~認知症 行動障害 幻覚・幻視・幻聴~

2023/04/23

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愛の家グループホーム 岐南

皆さんこんにちは。

突然ですが、周りには見えていないもの、聞こえていないもの、見えたり聞こえたりしたことありますか?

幽霊?妖精?神様?

オカルトの話ではなく、疲れている時ふと何かが横切ったような…。

いま、何か呼ばれたような…。

そんな経験ありませんか?

認知症の人っていつも見えてるの?聞こえてるの?。

では、本題へ。

 

 

幻覚・幻視・幻聴

原因と対応策>

認知症の中で、このような幻覚症状が最も出現しやすいのはレビー小体型認知症です。

ただ、その他のタイプの認知症でも幻覚はみられますので、「幻覚=レビー小体型認知症」と安易に判断してはいけません。

レビー小体型認知症の幻覚の特徴は、現実と区別がつかないような生々しい幻覚です。

この事例にみられるように「ほら、そこに子どもたちがいるだろう。何でわからないんだ」というような訴え方をされます。

【レビー小体認知症の方の幻覚】補助器具などを使用せず、自分の足で立っている白髪の男性が、部屋の何もない部分を指し、「子供がいる」と介護士の女性に話しかけているイラスト

レビー小体型認知症では、後頭葉の働きが悪くなっています。

後頭葉は見たものが何であるかを判断する場所です。

そこの場所の機能が悪くなるため、幻覚が生じやすくなると考えられます。

 

【事例への対応方法】幻覚への対応方法

この事例で最も良くない対応方法は、「子ども達なんていませんよ」と完全に否定してしまうことです。

レビー小体型認知症では、後頭葉の機能低下があり、ご本人の脳内では子どもたちが見えているように情報処理がなされています。

よって完全否定した対応をとると、介護職が自分のことを信頼してくれていない人と考え、人間関係を悪くしてしまいます。

このような対応をしていると症状が増悪していく場合が多く、悪循環となります。

また、本人視点のケアを意識して、実際には見えないけれど見えたように「ほんとだ。子どもがいっぱいいるね」と同調する対応の仕方がありますが、これもお勧めできません。

幻覚に同調するような対応は一見良いようにみえますが、長期的にみると幻覚が固定してしまう可能性があり、適切な対応法として良いとは言えないのです。

【ここがPOINT|レビー小体認知症の方への対応】レビー小体認知症の女性が「子どもがいっぱいいるよ」と言っています。対応1:「子どもなんていませんよ」と回答する。これは良くない対応です。対応2:「ほんとだ。子どもがいっぱいいますね」と回答する。こちらも良くない対応です。対応3:「子どもがいるんですね。どんな子どもですか?」と回答する。こちらは良い対応です。

最も良い対応は、しっかりと幻覚についてお話を聞いてあげることです。状況を親身になって聞いてあげることが、信頼関係構築にもつながります。

ご本人も、幻覚が見えているときには不安に感じていることが多いです。レビー小体型認知症では「子どもがいる」といった幻覚と同様に、「鎧武者(よろいむしゃ)がいる」という訴えも多くあります。

鎧武者が幻覚に出てくれば、本人は当然怖いと思っているはずなので、お話を聞いてあげると安心されます。介護職という忙しい業務のなか、幻覚の話をゆっくり聞くのも難しいと思いますが、このような対応によってお薬を使わなくても幻覚が軽減してくることがよくありますので、時間を作っていただければと思います。

NGな対応例>

「誰もいませんよ」と否定する。

 

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