今年4月。まだ春のころ。

N様がふと、

『私ね、花はコスモスが好き。どこにでも咲いてるけど、なんかね、すごく好き。』

と、私達に話してくれた。

N様は大病を患っている。その病はもうずっと昔に発症したが、大切なご家族と過ごす時間や持ち前の明るさ、そして強さでその病を乗り越えてきた。命の区切りを宣告されてもなお、今も笑顔で毎日を過ごしている。

そんなN様が私達に託した願い…

コスモスが満開になる頃、それを必ず見に行きたい。

その日が来た。

真っ青な空、そしてとても暖かい日。

待ってくれていたかのように咲くコスモス。

これでもかというほどに。

皆で歩く。風を感じながら。

自然をこれほどまでにありがたいと感じる機会は、なかなかない。

何気ない会話の全てに意味があると感じる。

そこに、その方の幸せのヒントがいつも。

そんなことを、改めて気づかせてくれたN様。

ホームから見て筑波山の向こう側。

今年も一緒に来ることができた。

来年も必ず、皆で一緒に。

そう願って止まない。

帰りに寄り道。

しかし、紅葉にはまだ早い…

そう思っていたが。。

『綺麗だったよ。見せてくれてありがとう』

N様は私達に言ってくれた。

いつもそうだ。

支えられているのは私達の方。

在り方を、生き方をも教えてくれる存在。

そんな大事なN様のそばで、精一杯努めたい。

ずっと護れるように。

愛の家グループホーム石岡青柳には、いつも幸せな時間が流れています。