2025/06/11
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こんにちは愛の家グループホーム広島亀山です。
ある日の午後、施設で一枚の地図を広げてみました。
すると、ひとりの男性利用者様がじっとその地図を見つめ、「ああ、この道、若い頃に通ったな」とポツリ。
その瞬間から、まるでスイッチが入ったかのように、次々と記憶があふれ出しました。
「このあたりで、昔仕事しとったんよ」
地図を見ながら過去をたどるその表情は、まるで旅をしているかのようにいきいきとしていて、話す言葉にも力があります。
これは「回想法」と呼ばれる、認知機能や感情の活性化に効果的とされる関わり方のひとつ。
過去の体験を思い出すことで、脳が自然と刺激され、会話も増えていきます。
地図一枚が、その方の人生をたどる道しるべとなり、記憶という名の宝物を引き出してくれる。
そんな場面に立ち会えるのは、介護の現場ならではの喜びです。
日々の関わりの中に、こうした「思い出のスイッチ」を取り入れること。
それが、心と脳の健康につながる第一歩かもしれません。