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〜グループホームの365日 認知症とともに生きる〜 【008】栄養改善、笑顔あふれる暮らし(可児広見)

2024/11/25

グループホームの365日

●岐阜新聞に2024年6月24日まで約1年間毎日掲載され、人気連載の「グループホームの365日 認知症とともに生きる」から認知症グループホーム「愛の家」の全国の事業所の厳選エピソードを紹介いたします。
●今回は「愛の家グループホーム可児広見」のエピソード。岐阜県可児市にある認知症専門の施設で、認知症の進行を遅らせることや、症状の緩和・改善・消失を目指しています。長年の運営経験で培ったノウハウを活かし、利用者様が穏やかに過ごせる環境を提供しています。
●認知症対応型グループホームのサービス内容がよくわからないという声もあります。本記事を通じて、愛の家グループホームの取り組みについて理解を深めていただければ幸いです。

栄養改善、笑顔あふれる暮らし
「愛の家グループホーム可児広見」(岐阜県)

 浅井さとみさん(仮名)72歳は、喫茶店を経営しながら1人で暮らしていました。家族の話では人の世話をすることが好きで優しい方だったそうです。数年前より注文された内容と異なるメニューを提供することがたびたび起こり、客から息子夫婦に対して苦情が入るようになりました。それに加え、車で20分ほど離れた息子夫婦の家に向かう途中で迷ってしまい、保護されることが日に日に増えていきました。その状態を心配した息子夫婦が認知症の症状ではないかと心配になって当グループホームに相談した後、入居となりました。入居当初は荷造りをして「家に帰る」と訴えたり、中庭からフェンスを乗り越えようとしたりするなどの行動が見られました。

 職員は、本人の訴えの中で「おなかがすいた」という内容が聞かれることや、やせ形の体形であること、夕方や夜間にかけて状態が激しく変動することから、低栄養、水分不足といった身体面の不調からくる「せん妄」を疑い、栄養、水分面のケアに注力しました。普段の食事に加えて栄養補助によって体重は増加、水分摂取量は1日約500ml増加しました。その結果、入居から2カ月足らずで当初みられた訴え・行動は全てなくなりました。さらに浅井さんは他の利用者の話し相手をする、家事をするなど「誰かのお世話をしたい」という自身の思いを実現しながら、笑顔の多い生活をされています。

 高齢者、特に認知症の方はせん妄を引き起こしやすいとされています。せん妄とは脳が混乱し本来の機能を発揮することができない意識障害の状態です。せん妄の原因はさまざまあり、高齢者は低栄養、水分不足といった身体面の不調が原因で引き起こすことが多いです。

 「愛の家グループホーム可児広見」では「快適で穏やかな生活を送っていただく」を一番に考え、最適なケアと家族との連携を大切にする姿勢で取り組んでいます。この実践が浅井さんの変化につながったといえます。

他にもたくさんのエピソードが。「2万人以上が暮らした日本一の認知症グループホームの365日」のエピソードをご紹介いたします

2万人以上が暮らした日本一の認知症グループホームの365日より
編著:メディカル・ケア・サービス/発行人:山本教雄/編集人:向井直人/発行所:メディカル・ケア・サービス株式会社/発行発売:株式会社Gakken
©️Medical Care Service Company Inc.

 

A5判/352頁/定価:1,650円(本体1,500円+税10%)

●書籍の詳細はこちら【健達ねっと】

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