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〜グループホームの365日 認知症とともに生きる〜 【011】ホーム入居で再び夫婦の時間(札幌星置)

2024/11/25

グループホームの365日

●岐阜新聞に2024年6月24日まで約1年間毎日掲載され、人気連載の「グループホームの365日 認知症とともに生きる」から認知症グループホーム「愛の家」の全国の事業所の厳選エピソードを紹介いたします。
●今回は「愛の家グループホーム札幌星置」のエピソード。北海道札幌市にある認知症専門の施設で、認知症の進行を遅らせることや、症状の緩和・改善・消失を目指しています。長年の運営経験で培ったノウハウを活かし、利用者様が穏やかに過ごせる環境を提供しています。
●認知症対応型グループホームのサービス内容がよくわからないという声もあります。本記事を通じて、愛の家グループホームの取り組みについて理解を深めていただければ幸いです。

子どもたちと利用者の笑顔が広がる
「愛の家グループホーム札幌星置」(北海道)

 藤沢菊雄さん(仮名)88歳は夫婦2人で生活していました。認知症状から介護が必要な状態でしたが、妻・たけ子さん(仮名)の手を借りることは我慢ならない様子でした。菊雄さんは栄養・清潔面の援助も拒否するようになり、体調を崩すようになりました。たけ子さんは遠方で生活している子どもたちには頼れず、夫婦2人で生活することが困難となり、菊雄さんは当グループホームに入居しました。

 入居当初、たけ子さんは「私は夫に嫌われているから」と面会を控えている様子でした。菊雄さんの入居から3年後、たけ子さんは転倒骨折をきっかけに当グループホームに入居しました。たけ子さんは入居後も菊雄さんに会うことを控えていましたが、環境に慣れてくると、菊雄さんの部屋に自ら訪れるようになりました。たけ子さんは自宅にいた頃のように菊雄さんの介助をしようとすることもありましたが、必要な介助は職員が行い、2人の時間を確保できるようにしました。

 その後、菊雄さんは部屋で寝て過ごすことが増え、たけ子さんと部屋で過ごすようになりました。そのような日がしばらく続いたある日、いつものようにたけ子さんが部屋を訪れた後に、菊雄さんは安心したように息を引き取りました。グループホームに入居してから夫婦としての関係性を取り戻し、最期まで2人の時間を重ねることができました。

 家族が介護をすることで、家族という関係から、介護者と被介護者という関係に変化してしまうことがあります。今回、事業所の職員が介護という役割を担うことで、菊雄さんとたけ子さんは本来の夫婦という関係に戻ることができ、穏やかな生活を送ることができたのではないでしょうか。

他にもたくさんのエピソードが。「2万人以上が暮らした日本一の認知症グループホームの365日」のエピソードをご紹介いたします

2万人以上が暮らした日本一の認知症グループホームの365日より
編著:メディカル・ケア・サービス/発行人:山本教雄/編集人:向井直人/発行所:メディカル・ケア・サービス株式会社/発行発売:株式会社Gakken
©️Medical Care Service Company Inc.

 

A5判/352頁/定価:1,650円(本体1,500円+税10%)

●書籍の詳細はこちら【健達ねっと】

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