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〜グループホームの365日 認知症とともに生きる〜 【005】利用者に笑顔になっていただきたい!(甲府住吉)

2025/01/09

グループホームの365日

●岐阜新聞に2024年6月24日まで約1年間毎日掲載され、人気連載の「グループホームの365日 認知症とともに生きる」から認知症グループホーム「愛の家」の全国の事業所の厳選エピソードを紹介いたします。
●今回は「愛の家グループホーム甲府住吉」のエピソード。山梨県甲府市にある認知症専門の施設で、認知症の進行を遅らせることや、症状の緩和・改善・消失を目指しています。長年の運営経験で培ったノウハウを活かし、利用者様が穏やかに過ごせる環境を提供しています。
●認知症対応型グループホームのサービス内容がよくわからないという声もあります。本記事を通じて、愛の家グループホームの取り組みについて理解を深めていただければ幸いです。

子どもたちと利用者の笑顔が広がる
「愛の家グループホーム甲府住吉」(山梨県)

 高校卒業後、新卒で入職した深澤凜さんは、表面的なコミュニケーションは得意だが、利用者と深く関わることが苦手な様子でした。介護という仕事にどのように向き合えばよいのか、戸惑っている様子であり、自分から利用者へのケア内容について提案することがあまりありませんでした。

 ある日、地域になじみのある老舗百貨店が閉店するというニュースがテレビから流れました。利用者の大熊ひろこさん(仮名)が「あの百貨店が閉店なんて…もう一度行きたかったわ」と言いました。それを聞いた深澤さんは、自分ができることがあるのでは? と考え「閉店前に大熊さんと百貨店へ一緒に行きたい」と家族へ提案しました。その提案に家族は喜び、深澤さんは、大熊さんと家族と共に百貨店へ出かけました。

 大熊さんは思い出の百貨店で、自分が好きな洋服を選んで買えたことをとても喜びました。家族からも一緒に出かけることができ、外食や買い物もできて良い思い出になったと感謝されました。それ以降、深澤さんは、利用者を笑顔にしたいという思いが強くなったようでした。今では「利用者を笑顔にしたい!」と、気分がふさぎ込んでいる利用者を散歩に誘ったり、利用者とフレンチトーストを作ったりするなどの提案を積極的に行うようになっています。

 介護をする上で、知識や技術とともに重要なのは、利用者の思いを感じることです。深澤さんは、利用者の思いを感じ取り、実現するための行動をしたことで、介護のやりがいや楽しさを感じるようになりました。思いをかなえた経験が、また誰かを喜ばせたいと思う気持ちを生み、次々と提案ができるようになり、介護職としての幅も広がりました。

他にもたくさんのエピソードが。「2万人以上が暮らした日本一の認知症グループホームの365日」のエピソードをご紹介いたします

2万人以上が暮らした日本一の認知症グループホームの365日より
編著:メディカル・ケア・サービス/発行人:山本教雄/編集人:向井直人/発行所:メディカル・ケア・サービス株式会社/発行発売:株式会社Gakken
©️Medical Care Service Company Inc.

 

A5判/352頁/定価:1,650円(本体1,500円+税10%)

●書籍の詳細はこちら【健達ねっと】

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