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コラム&エッセー
2025/01/10
グループホームの365日
●岐阜新聞に2024年6月24日まで約1年間毎日掲載され、人気連載の「グループホームの365日 認知症とともに生きる」から認知症グループホーム「愛の家」の全国の事業所の厳選エピソードを紹介いたします。●今回は「愛の家グループホーム札幌平岡」のエピソード。北海道札幌市にある認知症専門の施設で、認知症の進行を遅らせることや、症状の緩和・改善・消失を目指しています。長年の運営経験で培ったノウハウを活かし、利用者様が穏やかに過ごせる環境を提供しています。●認知症対応型グループホームのサービス内容がよくわからないという声もあります。本記事を通じて、愛の家グループホームの取り組みについて理解を深めていただければ幸いです。
桑原恵子さんは、母親が認知症になり、介護に関心が向くようになりました。介護職員初任者研修(介護系の資格の中で基本となる入門的な研修)を受講し、研修の実習時に「介護の仕事をやりたい!少しでも親の支えになりたい」と思い、介護職になることを決意し、当グループホームに入職しました。
初めて担当した利用者の寺本光江さん(仮名)は食事以外は居室で横になって過ごすことが多い方でした。部屋にはいろいろなスカーフがあり、おしゃれな方でした。他の職員が声をかけると目を開け、うなずく意思表示をすることがありましたが、桑原さんが声をかけても反応が少なく、彼女は介護経験の差を感じました。目を閉じた状態で反応がないため、自分の声が覚えられていないのではないかと考え、できる限り声をかけました。
また寺本さんのスカーフが、少しでも素敵に見えるようにと結び方に工夫をし、話すきっかけをつくるようにしました。そのような対応を続けると、寺本さんは少しずつ桑原さんの声かけにもうなずくようになり、表情の変化も見られるようになってきました。1年半後、食事や水分が取れなくなり、看取りの状態となりました。呼吸が苦しそうな状態が続いた寺本さんですが、桑原さんがケアをする時には、最期まで穏やかな表情をしていました。
コミュニケーションには「言語的」と「非言語的」があり、相手から受け取る情報の6〜9割は、非言語的コミュニケーションからだといわれます。言葉の内容だけではなく、声色、表情や態度から伝わるものが多いため、寺本さんは桑原さんの接する態度から寄り添いたいという気持ちを理解されての変化だったのだと思います。
他にもたくさんのエピソードが。「2万人以上が暮らした日本一の認知症グループホームの365日」のエピソードをご紹介いたします
2万人以上が暮らした日本一の認知症グループホームの365日より編著:メディカル・ケア・サービス/発行人:山本教雄/編集人:向井直人/発行所:メディカル・ケア・サービス株式会社/発行発売:株式会社Gakken©️Medical Care Service Company Inc.
A5判/352頁/定価:1,650円(本体1,500円+税10%)
●書籍の詳細はこちら【健達ねっと】
〜グループホームの365日 認知症とともに生きる〜 【005】利用者に笑顔になっていただきたい!(甲府住吉)
2025/01/09
〜グループホームの365日 認知症とともに生きる〜 【004】環境が変わっても前向きに生活してほしい(札幌川沿)
〜グループホームの365日 認知症とともに生きる〜 【011】ホーム入居で再び夫婦の時間(札幌星置)
2024/11/25
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