介護うつになってしまった場合、長期間の治療を要するケースが多いです。介護者・被介護者の生活を守る上で、介護うつになることは大きなリスクといえます。
しかし、介護うつ自体を予防することは可能です。
ここからは介護うつを未然に防ぐために、主な予防法を7つ紹介していきます。介護うつが気になり始めている方は実践してみてください。
①メンタルコントロール
介護うつの予防1つ目は、「メンタルコントロール」です。
自分の考え方や不安・イライラを自覚し、メンタルを調整することで介護うつを防ぎます。
特に先ほど紹介した「介護うつになりやすいタイプ・特徴」に当てはまる人は、以下のような方法でメンタルコントロールを行いましょう。
・定期的に「疲れていないか?」と問う
・介護に関する考えや不安を紙に書き出す
・リラックス状態を作る、プラス思考
自分を客観視する機会を増やすことが、メンタルのケアや調整に役立ちます。
②介護について相談できる相手・場所を見つける
介護うつの予防2つ目は、「介護について相談できる相手・場所を見つけること」です。
介護は一人で抱え込むと大きなストレスを生みやすく、介護うつの原因に直結します。不安な思いを吐き出したり、アドバイスを得たりする機会は、自分を客観視する上でも重要です。
具体的には以下のような相談先を見つけると、安心感につながります。
・地域包括支援センター
・ケアマネジャー
・家族の会や介護関連の集会
なお、さらに具体的な相談先の例は、以下の記事で紹介しています。
→【親や家族の介護準備のやり方は?】
③家族や友人の力を借りる
介護うつの予防3つ目は「家族や友人の力を借りること」です。
介護負担を軽減する上で、協力者の存在は大きな力になります。例えば家族や兄弟姉妹・親せきや近隣住民、職場の人が協力してくれることで、時間的な余裕が生まれやすくなります。
「介護の相談をするのは申し訳ない…」といった罪悪感がある人もいるでしょう。
しかし、私たちは様々な人と互いに持ちつ持たれつ、支え支えられて生きています。
「介護が原因で関係性が悪化する」といったケースは、素直に相談することで避けられます。相談しないことで生じる悪影響もあるのだと捉え、協力を得るよう行動してみてください。
④息抜きの時間を作る
介護うつの予防4つ目は、「息抜きの時間を作ること」です。
介護うつの治療法に「休養」が含まれているように、介護以外の時間をつくることは重要です。趣味や友人との交流でリラックスし、心に余裕をもって介護できる状態を作りましょう。
また、「自分の生活を支えられない状態で、他者を支えることは難しい」という意識をもつことが大切です。
まずは自分から、です。
⑤介護の知識を身につける
介護うつの予防5つ目は、「介護の知識を身につけること」です。
例えば 「要介護認定を受けることで、(介護保険サービスを)原則1割負担で利用できる」という知識があるだけで、経済的な不安を軽減できます。
他にも、介護技術を磨くことで腰痛予防やスムーズな介助につながります。心身の負担を軽減するために、本や各種メディアを活用しながら介護知識を収集しましょう。
⑥介護サービスを利用する
介護うつの予防6つ目は、「介護サービスを利用すること」です。
介護負担を分散する上で、介護サービスの利用は欠かせません。日本には多種多様の介護保険適用内・適用外サービスがあるため、ニーズに合わせて利用できます。
例えば、デイサービスへの通所で介護者が休養する時間を作ったり、訪問入浴介護で肉体的な負担を軽減したりとさまざまなアプローチがあります。
なお、具体的な介護計画はケアマネジャーが作成します。まずは一人で抱え込まず、お近くの地域包括支援センターへ相談してみましょう。
→ケアマネージャーやケアプランの基礎知識はこちらから
⑦介護施設を利用する
介護うつの予防7つ目は、「介護施設を利用すること」です。
介護施設へ入居することで、介護者の負担を大きく軽減できます。また終日プロの介護職員がケアを行ってくれるため、安心できるのもメリットといえます。
ただし、介護施設は種類が多く、入居費やサービス利用料は異なります。まずはどのような施設があるのか情報収集を行い、メリット・デメリットを整理してみてください。
→愛の家 グループホームについて詳しく知りたい方はこちらから
→愛の家 小規模多機能型居宅介護について詳しく知りたい方はこちらから